塩からイラクサまで:2023年5月の人気顕微鏡画像
塩、イラクサから相模湾のサンプルまで、5月に注目を集めた5枚の画像は細胞がどれだけ美しいかを表しています。
ケイソウは単細胞でできていながら、そのさまざまな形やサイズ、パターンによって、数えきれないほどの顕微鏡イメージングの機会を与えてくれます。この画像で泡のように見えるケイソウは、日本の相模湾でプランクトンネットを使い収集されたものです。ペトリ皿の底に沈んでいたサンプルからケイソウが採取されました。
画像提供:@co_micro。オリンパスBH2顕微鏡で撮影。
赤、オレンジ、緑、青!美しい虹色が、イラクサ(Urtica sp.)の茎の横断面で鮮やかに見えます。新鮮な非染色の材料をかみそりと(ミクロトームを使わず)手でカットし、偏光と暗視野照明により顕微鏡で撮影しました。
画像提供:Marek Miś氏。オリンパスBH2顕微鏡で撮影。
前月の人気画像には、赤、白、青色の美しいAmmonaps(フェニル酪酸ナトリウム)の画像が選ばれていました。別の記事でも取り上げたように、フェニル酪酸ナトリウムは尿素サイクル異常症の治療に使われます。今月SNSで注目を集めたこの塩の化合物は、今回は偏光照明下の選りすぐりの結晶を示しています。
画像提供と説明:Håkan Kvarnström氏。UPLXAPO 4X対物レンズを使用して撮影。
「これは顕花植物である シロイヌナズナ の子葉(最初の葉)の切片で、緑色蛍光タンパク質液胞膜マーカー(vac-GB)を発現しています。葉緑体はクロロフィルの自家蛍光により赤紫色に見えます。
成熟した植物細胞では、液胞が細胞容積の大半を占めます(>90%)。この画像では、隣り合う2つの細胞の細胞質ゾル全体と共有する細胞壁が押しつぶされて、2つの大きな液胞の間に小さな空間が生まれているのが見られます。」
画像とキャプション:Ivan Radin氏(2021年度イメージ・オブ・ザ・イヤーコンテストの米州最優秀賞受賞者)。FV1000共焦点レーザー走査型顕微鏡で撮影。Ivanさんについて詳しくは、インタビュー記事をご覧ください。
この画像は位相差を使って撮影した繊毛虫で、またしてもたった1つの細胞に美があふれているのがわかります。
画像提供:Marek Miś氏。オリンパスBH2顕微鏡で撮影。
最後に、印象深い「木」を取り上げたビデオをご紹介します。
イチョウ は現存する最古の樹種の1つであり、顕微鏡で見てもとても魅力的です。
「イチョウの茎の細胞が並んでいる様子はとてつもなく美しいです。進化と自然淘汰によって細胞の最高傑作が生まれました。この小さな枝は、私が5年前に種から植えたイチョウの木から切ったものです。葉芽が開く直前に切り落としました。イチョウは裸子植物です。言い換えると、イチョウの木は進化的には顕花植物より針葉樹に近い種です。茎内の組織にコントラストを付けるため、メチレンブルー染色を使用しました。」
ビデオとキャプション提供:Adolfo Sánchez-Blanco氏。CX31顕微鏡で撮影。
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