シリアル番号1ー探触子第1号を振り返る(英語)
1971年11月26日、オリンパスの前身であるPanametricsは、最初の超音波探触子を生み出しました。 以下に示すのはその探触子の「出生証明書」です。20 MHz、振動子径1/4インチ(約6ミリ)の水浸型探触子として識別され、シリアル番号「1」が付いています。 この探触子は厚さ測定に、または極小欠陥の検出に使用されていたことでしょう。
このプローブの「出生証明書」は実際の検査証明書の初期のもので、当社の探触子は今なおこれに類似した文書とともに出荷されています。
超音波探触子の検査証明書
お客様がプローブを購入する前には、そのプローブが正しく動作することを確認するための一連の性能テストに合格している必要があります。 オリンパスでは、業界標準の手法で探触子を特徴付け、自社のプローブが社内基準のほか、お客様の期待にも確実に合致するようにしています。 販売するすべての探触子は、検査証明書とともに出荷され、記録のためにそれぞれのコピーが保管されます。 こうした記録がなければ、当社が過去48年にわたり展開してきた超音波探触子の品質と一貫性は維持できなかったでしょう。
このフォームは50年近く前のものですが、全体の内容は現在の検査証明書と似ています。 現在でも、特定の機器と検査条件によって既知のターゲット反射源をキャプチャしたサンプル波形を掲載しています。 このケースでは、プローブを水中に沈め、石英ガラスの平板から1/2インチ(約1.2センチ)離して配置して、サンプル波形をキャプチャしています。 フォームに「KF」とサインした検査担当のエンジニアは、オシロスコープCRT(ブラウン管)ディスプレイの写真を撮り、それをフォームに貼付しました。 現在では写真の撮影や保存は電子的に行われているものの、当社は今でもサンプル波形を検査証明書に含めています。 このキャプチャした波形を使用して、プローブの他の性能表示が判断されます。 波形のキャプチャに使用された装置の設定は、波形の上にリスト化されており、ゲインは40 dB、ダンピングは50.52 Ωに設定されています。 縦方向の感度は0.10 Vと測定されており、スイープ速度、つまり時間スケールは0.1µsでした。
2番目に貼付されている写真は、プローブの周波数スペクトルを示しています。 この画像は、信号を一連の狭い周波数帯域として出力する周波数増幅器を介して、超音波信号を送信することにより作成されたものです。 こうした信号が集まって、この超音波探触子の周波数ドメインを視覚的に表してしています。 この画像で、各画面区分は5MHzを示しています。 技術者はこの画像を見て、探触子の中心周波数が25 MHz、75%の-6dB帯域幅と判別します。
感度、中心周波数、および-6dB帯域幅は、今でも当社探触子の特性評価フォームの中心となっています。 年月を経て、いくつかのパラメーターを追加することにより、お客様に探触子の性能情報をより詳細に提供しています。 現在のフォームでは、波形の持続時間、-6dB周波数の上限および下限、ピーク周波数も示されます。 また、焦点距離、屈折角、ゼロ補正など、各種プローブタイプの特定のパラメーターも測定しています。