実体顕微鏡入門:透過光観察法

実体顕微鏡観察法

Janeen Manning

Janeen Manning

2020年 3月 09日

実体顕微鏡は、サンプルを巨視的かつ立体鏡的に観察するために有用なツールです。両眼に個別の観察経路を提供することによってサンプルにある程度の奥行を与えるため、まるで実際に目で観察しているかのように見えます。

実体顕微鏡は落射照明および透過照明という主に2種類の照明を備えています。

  • 落射照明 は下向きにサンプルに光を当て、その反射により観察しています。この種類の照明は、岩石、鉱物、植物、昆虫、セラミックスなど、不透明なサンプルの観察に適しています。
  • 透過照明 は上向きに光を当ててサンプルに光を通します。この種類の照明は、細胞、組織、胚、ゼブラフィッシュまたは他の小型水生生物標本など、半透明のサンプルの観察に適しています。
Stereo microscope

サンプルの種類により、どの照明が最も適しているかが決まります。多くの場合、複数の方法を用いる必要があります。以下の表1に示すように、照明にも種類ごとに複数の観察法があります。

表1 ― 実体顕微鏡に一般に用いられる観察法

観察法
落射照明
偏射
同軸
偏光
蛍光
透過照明
明視野
暗視野
偏射
偏光

ここでは透過照明に着目し、その観察法について詳しくご紹介します。

透過照明での4つの一般的な観察法

透過光で一般的に用いられる観察法について、その特長をご紹介します。

明視野観察を用いて撮影されたゼブラフィッシュ

明視野観察を用いて撮影されたゼブラフィッシュ

偏射照明(左)および暗視野観察(右)を用いて撮影されたメダカ

偏射照明(左)および暗視野観察(右)を用いて撮影されたメダカ

さまざまな観察

観察法を素早く簡単に切り替えることができれば、サンプルを効率的に観察できます。オリンパスの実体顕微鏡用LED透過照明架台を使えば、明視野照明、偏射照明、暗視野照明、偏光照明の切り替えだけでなく、異なるコントラスト法も手早く簡単に切り替えられるようになります。方法についてご興味がありましたら、次回のブログを是非ご覧ください!

Janeen Manning

Janeen Manning

プロダクトマネージャー

Janeen Manning氏は、Evidentの臨床・教育用顕微鏡のプロダクトマネージャーです。Evident入社前は、感染症専門の医療機器会社に勤務していました。メイン大学で生物化学、微生物学、分子生物学の理学士号を取得し、ハーバード大学でバイオテクノロジーの修士号(MLA)を取得しています。