EVIDENT Image of the Year Award 2022
第4回イメージ・オブ・ザ・イヤーの受賞者を発表いたします。
ご参加いただいた皆様に感謝を申し上げるとともに、次回コンテストへのご参加を心よりお待ちしています!
グローバル最優秀賞:ヒトデの幼生
撮影者:Laurent Formery(米国)
幅約1cmのヒトデ幼生(Patiria miniata)の神経系。透明化処理後にアセチル化チューブリンに対する抗体で標識し、色別Zプロジェクションを用いて撮影。
マテリアルサイエンス&エンジニアリング部門最優秀賞:いぼ治療用局所薬の結晶
撮影者:Shyam Rathod(インド)
露をストローで顕微鏡スライドに吹き付け、1コマに収めたもの。色を出すために位相差板と二重交差偏光フィルターを使用。
地域最優秀賞
アジアパシフィック
アジアパシフィック最優秀作品の撮影者:Jiao Li(中国)
エーデルワイスの雄しべ。レーザー走査型共焦点顕微鏡を用いて3次元的にスキャンし再構成。
佳作
Robert Berdan(カナダ)
コロラドトウヒ(Picea pungens)の枝の断面。5倍の対物レンズで撮影した数枚の写真をフォーカススタックしたもの。
Uriel Ruiz(メキシコ)
トリポス・マクロセロス。3本の角を持つ単細胞の微細藻類。前頂角は1本の頂角に向かって曲がっている。葉緑体の位置がクロロフィルで赤く表示されている。
審査員
アジアパシフィック
Yujie Sun(北京大学終身名誉教授)
中国科学技術大学で化学の学士号と修士号を取得し、ピッツバーグ大学で化学の博士号を取得。その後、ペンシルバニア大学医学部で博士研究員として勤務し、学際的なチームとともに、1分子の蛍光と操作技術を駆使して分子モーターの仕組みの解明に取り組んだ。現在は、College of Future Technology(CFT)の副学部長、Nano/Bio Interface Center(NBIC)の副所長、National Multimode Trans-Scale Biomedical Imaging Centerの副主任技師を務めるほか、米国細胞生物学会(ASCB)、生物物理学会(BPS)、中国生物物理学会(BSC)など、多くの専門科学団体のメンバーとして活躍中である。これまで細胞の構造とプロセスを研究するための高度な1分子イメージングと操作技術を開発し、研究は5冊の書籍と100以上の査読付き論文に掲載されており、10の国家科学研究プロジェクトに取り組んでいる。
Sarah Ellis(オリビア・ニュートン・ジョン癌研究所 腫瘍環境画像化センター(CITE)准教授)
30年以上にわたって顕微鏡のあらゆる分野で経験を積み、光学および電子顕微鏡の試料調製、画像データ解析、広視野顕微鏡、共焦点顕微鏡、多光子顕微鏡、生物電子顕微鏡の操作と保守に幅広いスキルを有している。また、中核施設の設計と管理にも幅広い経験を持つ。研究者の育成にも長らく取り組んでおり、60以上の出版物に著者として名を連ねていることからもわかるように、強力な共同ネットワークを構築してきた。複数のボランティア活動を通じた科学界への貢献も続けており、現在はオーストラリア顕微鏡・微量分析学会の事務局長と、Light Microscopy Australiaのビクトリア州代表を務めている。
米州
Geoff Williams(ブラウン大学ルデュックバイオイメージングファシリティ、マネージャー)
ブラウン大学のルデュックバイオイメージングファシリティで、14年の間マネージャー職を担う。コネチカット大学では、視覚芸術・科学・テクノロジー、そして顕微鏡技術を組み合わせて顕微鏡法(電子と光)を研究。その後、ミシガン州立大学院で修士課程を修了し、セントラルミシガン大学でイメージング施設の運営に携わるようになった後、現在のブラウン大学に着任。過去20年以上にわたり、電子顕微鏡と光学顕微鏡の両方の技術者として技術を磨く中で、単に科学的調査で求められるものに加えて、それぞれの画像が持つ美しさに注目するようになる。「Nanoscape」と名付けられた作品シリーズは、日常の生活の中では見逃してしまうようなミクロの世界を、触覚的かつ印象的に描き出す。
Harini Sreenivasappa(ドレクセル大学細胞イメージングセンター、マネージャー)
ドレクセル大学における光学顕微鏡の中核施設である、細胞イメージングセンターのマネージャーを務める。テキサスA&M大学(TAMU)の大学院で顕微鏡観察と出会い、心臓血管疾患の血管壁リモデリングで起こる、細胞の感知と適応に対する微小環境刺激の役割に関する研究に取り組む。この研究が生物医学工学の博士号につながる。原子間力顕微鏡(AFM)、スピニングディスク型共焦点、全反射照明蛍光(TIRF)など、さまざまな顕微鏡技術を横断して10年以上の経験を持つ。ASCBのCOMPASS Outreach助成金により、TAMUの研究者による顕微鏡写真を無料で公開したTravelling Micrographs展覧会を企画実施し、キュレーションを担当。一連の展示では、TAMUにおける研究の内容を地域社会と共有し、科学イメージングへの関心をかきたてることを目指した。
EMEA
Rachid Rezgui(ニューヨーク大学アブダビ校、顕微鏡法、研究機器科学者)
顕微鏡学者であり、活動的な研究科学者でもある。ドイツのライプリッツ・ハノーファー大学で物理学を学んだ後、フランスのエコール・ポリテクニークで単一分子レベルにおけるDNA-タンパク質相互作用を研究し、生物物理学の博士号を取得。2014年にニューヨーク大学アブダビ校の顕微鏡中核施設に加わって以来、あらゆる種類の顕微鏡(二光子顕微鏡、超解像顕微鏡、共焦点顕微鏡、蛍光寿命顕微鏡、広視野顕微鏡など)に携わる。中核施設の管理を手掛けながら、サンプル調製、トレーニング、データ収集 、後処理など光学イメージングのあらゆる側面に関与している。
Urs Ziegler(チューリッヒ大学 顕微鏡・画像解析センター、マネージングディレクター)
チューリッヒ大学で生物化学を学び、1996年に生物化学研究所で博士号を取得。2007年に顕微鏡・画像分析センターの施設長となった。手掛けた研究には、多細胞生物の構造研究のためのさまざまな低温電子顕微鏡法、超解像光学顕微鏡法、新しい光-電子相関顕微鏡法の開発と導入が挙げられる。研究に加えて、高度な顕微鏡法や画像解析に関する各種講義や実践コースを指導している。1998年よりBoard of the Swiss Society for Optics and Microscopyの一員でもある。
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過去の受賞者
グローバル最優秀画像は Jan Martinekさん(チェコ共和国)により撮影されました。
シロイヌナズナ の雌しべ内で伸長する花粉管。花の組織は化学的に処理されて透明になっている一方で、花粉管は見えるようにアニリンブルー(黄色蛍光)で染色されました。