TruAI技術

AI技術を活用したマテリアル検査における画像解析

ディープラーニングを活用した画像解析技術TruAI™

定量的な画像解析は、多くの材料科工学、産業および品質保証において非常に重要な手段です。しかしながら、輝度や色に依存する従来の画像セグメンテーションでは、サンプル内の重要な情報や対象物を適切に検出できない可能性があります(特に経験の浅いユーザーが行う場合)。画質とコントラストはサンプルによって異なるため、従来のしきい値法を用いた画像セグメンテーションでは再現性や繰り返し性も十分ではありません。

Stream Enterprise v.2.5.3、PRECIV v.1.2、およびCIX100 v.1.6では、インスタンスセグメンテーション機能の導入により、TruAIディープラーニング技術がさらに進化しました。この機能は、セマンティックセグメンテーションとそれに続くオブジェクト分離をひとつのステップにまとめることができます。インスタンスセグメンテーションでは、手動の後処理やパラメーター調整を必要とせず、複雑なアプリケーションもワンステップで対応できるので、ワークフローが改善されます。ニューラルネットワークモデルのトレーニングが終われば、クリックひとつで新しい画像に適用して、すぐに解析結果が得られます。

ディープラーニングを活用したアプリケーション例

TruAI技術は、鉄鋼市場での金属組織の解析や自動車市場での粒子の解析などに役立つツールです。

図1: エッチング処理された銅のフェーズ検出

図2: ウエハー不良箇所の検出

図3:フライアッシュの検出

顕微鏡画像解析におけるディープラーニングの効果

材料解析では、顕微鏡画像のデータが必要になることがよくあります。 正確な画像解析を行うには、画像から解析対象領域を的確に検出することが重要です。 形態学的特徴に基づいて画像内の対象物を検出したい場合、輝度や色にしきい値を適用する従来の方法では、高精度な検出は非常に困難です。さらに、毎回手動でカウントして測定する必要があるため、時間がかかり、サンプルの状態に影響を与える可能性があります。

対照的に、TruAIは非常に効率的で、正確な対象物の検出を可能にします。 ニューラルネットワークに手作業でラベル付けした画像の検出結果を学習させた後、同じ方法を追加のデータセットに適用できます。

ディープラーニングを活用した画像解析効率の最大化

Stream Enterprise v.2.5.3/PRECiV/CIX100 TruAIソリューションは、産業向け画像解析の効率を最大化するのに役立ちます。

トレーニング済みニューラルネットワークをカウントと計測ソリューションのセグメンテーション手法として使用すれば、解析が自動化されるので、経験の浅いオペレーターでも計測を実施できます。

顕微鏡観察における当社のディープラーニング手法の概要を以下のビデオでご覧ください。

Stream Enterprise v.2.5.3/PRECiV/CIX100ソフトウェアのディープラーニングの仕組み

TruAIディープラーニングのワークフローは明快です。

Stream Enterprise v.2.5.3/PRECiV/CIX100 TruAIソリューションは、複数の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)ステップを組み合わせて、個々のピクセルをクラスに割り当てます(U-Netアーキテクチャ)。画像処理結果の品質は、トレーニングの品質に大きく依存します。ニューラルネットワークは、既に処理済みか少なくとも測定する値を含む画像(グラウンドトゥルース)でトレーニングする必要があります。

ニューラルネットワークトレーニング用のグラウンドトゥルースは、以下のいずれかを使用してStream Enterprise v.2.5.3/PRECiV/CIX100 TruAIソリューションで生成します。

ディープラーニングで解析する問題ごとに、生データとグラウンドトゥルースを含む一連の画像を使用する必要があります。

産業向け画像解析のディープラーニングワークフロー

産業向け画像解析のディープラーニングワークフロー
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作成されたモデル(推論)は、カウントと計測ソリューションのセグメンテーション手法として使用されます。

ニューラルネットワークを学習させる

標準ネットワークの学習時間は、25,000回の反復学習で約30分間です。 学習の品質は、品質指標の曲線が類似性の1に近いほど正確に認識していることを意味します。

Training a neural network for industrial image analysis

ニューラルネットワークのセグメンテーション

Stream Enterprise v.2.5.3/PRECiV/CIX100 TruAIソリューションでは、画像内のオブジェクトを検出するために、画像の各ピクセルに対応するクラスでラベル付けを行う、セマンティックセグメンテーション法を使用します。結果は確率層として表すことができ、 各ピクセルが特定のクラスに一致する確率を得ることを意味します。クラスがひとつだけ定義されている場合、推論結果は粒子検出に直接使用できます。

産業向け画像解析におけるニューラルネットワークのトレーニング

Stream Enterprise v.2.5.3/PRECiV/CIX100のカウントと計測ソリューションでは、ディープラーニングによって検出が簡単になります。ニューラルネットワークセグメンテーショによって計測するオブジェクトが検出される一方で、従来の数学的手法によりサイズ別の分類が行われます。

このディープラーニングソリューションは、材料科学分野および国際基準における一般的な粒子検出方法に厳密に従っています。

産業用画像解析におけるニューラルネットワークのトレーニング

Stream Enterprise v.2.5.3/PRECiV/CIX100ソフトウェアのニューラルネットワークトレーニングオプション

Stream Enterprise v.2.5.3/PRECiV/CIX100でニューラルネットワークをトレーニングするには、以下のいずれかの方法があります。

お客様自身でニューラルネットワークをトレーニングする

  1. Stream Enterprise v.2.5.3/PRECiV/CIX100ディープラーニングソリューション(Stream Essentials、Motion、およびDesktopと、PRECIV Core、Pro、およびDesktopで利用可能)を使用して、ニューラルネットワークをトレーニングします。カウントと計測ソリューションと処理能力の高いPCも必要です。PCの推奨要件については当社にお問い合わせください。この方法は産業用途の業界標準手順に従っている大学、研究機関、施設に適しています。

Evidentにニューラルネットワークのトレーニングを依頼する

  1. このサービスは産業研究所、品質管理、検査ラボ、繰り返し作業のあるお客様に適しています。Stream Enterprise v.2.5.3/PRECiV/CIX100のカウントと計測ソリューションが必要です。