アプリケーションノート
4K顕微鏡観察の鮮明さを体験しましょう
4Kデジタル技術は顕微鏡観察に革新をもたらし、従来の接眼レンズ越しの観察と同等レベルの鮮明さで、モニター上での作業が可能になりました。EvidentのDP75やDP28、SC180をはじめとする顕微鏡用4Kデジタルカメラの先端技術によって、かつてないほど細部まだ見られるようになり、顕微鏡の画面上の観察が進んでいます。スピード、効率性、使いやすさを提供し、サンプル観察の向上と共同作業の促進がかなうほか、プレゼンテーションの質も向上できます。
主な特長
· 細部の観察に適した高性能CMOSセンサー搭載の顕微鏡用4Kデジタルカメラにより、画面上の作業を促進。
· 共同観察がしやすくなる、鮮明な画像
· 高速フォーカスと効果的なノイズ除去により、画面上で行う観察作業の質の向上。
新しい観察のあり方
顕微鏡観察は長年にわたり進化と変革を続けてきました。実際、デジタル技術によってイメージング性能が拡張され、顕微鏡ユーザーに多大な恩恵がもたらされている現在、私たちは特に興味深い時代を目の当たりにしています。
顕微鏡用デジタルカメラが現れてから、モニター上での観察作業は接眼レンズでの観察と並ぶ有益な方法を示してきました。一方で、モニター上の観察作業に対する要求は高く、正確なサンブル解析はカメラとイメージングの性能に大きく左右されます。
- 解像度 — 解像度が高いほど、サンプルの微細構造の解析に適した高精細画像を取得できます。
- カラーバランス — 正確かつ確実に染色パターンを解釈するには、忠実な色再現性が極めて重要です。
- 実視野 — 観察視野が広いことで全体の解析が可能になり、より深い洞察が得られます。
- ノイズ — ノイズの少ない画像によって、暗い照明下でもサンプルをはっきりと観察できます。
- ライブ画像速度 — 照明条件に左右されない高速イメージングによって、ワークフローが速く効率的になるとともに、パンニング時にライブ画像を快適に観察できます。
ユーザーのニーズに応えるため、顕微鏡用デジタルカメラは改良を続けていますが、近年の4Kデジタルイメージングの導入によって画質は大きな飛躍を遂げています。民放テレビでおなじみの4K UHD(超高精細)のシステムには、モニター、カメラ、ソフトウェアが含まれ、その高い解像度によって以前よりも大きさと精細度ともに優れた画像が映し出されます。解像度の向上を補完するものとして、4Kカメラはかつてない高画質を実現するためのさらなる技術的な進歩も遂げています。
4Kデジタルイメージングは顕微鏡観察の可能性を高め、サンプル解析とプレゼンテーションのどちらも強化します。
モニター上で観察を行うことのメリット
モニター上で行う観察と接眼レンズ越しの観察を比較すると、どちらにもメリットとデメリットがあります。接眼レンズでは間違いなくサンプルを最も正確に見ることができますが、長時間の作業は体への負担もありで作業に時間を要することがある一方、モニター上での観察は補完的で快適な選択肢となります。今や4K観察はデジタル画像に取得された情報が、接眼レンズでの観察に匹敵する水準まで画質を進歩させています。
接眼レンズで観察する必要性を減らすことで時間を短縮できるので、ユーザーはこの両方の観察方法にますます頼っています。
4Kという用語は画像解像度を表しますが、向上した画質のメリットはそれ以外のデジタル技術によってももたらされています。その一つが色再現性で、正確な解析に適したカラープロファイルを作り出すまでに進歩しました。これは特に、組織構造サンプル染色の微妙な色合いを評価する際に役立っています。ノイズ除去の向上も、隠れた細部を明らかにするのに一役買っています。例えば、Olympus Smart Image Averaging(OSIA)は、フレームレートの低下やアーチファクトの発生を起こさずに画像ノイズを完全に取り除き、 アクティブセンサー冷却も必要としません(図1)。多彩なイメージング条件で細部を取得できるので、従来は冷却カメラが使用されていたさまざまな用途に活用できます。このようにして、研究者たちは特殊な低ノイズカメラへの切り替えに代わるコストパフォーマンスのいい方法として、カメラ1つに頼れるようになっています。
画質の向上に加えて、デジタル機能はカメラの使いやすさをもたらし、対象領域に素早くナビゲートして簡単にピントを合わせることが可能です。毎日、大量のサンプルを評価する場合は特に、スピードと快適さが重要です。これには、パンニング時の滑らかな動きを保つ高速ライブ画像が役立ち、サンプル全体をナビゲートするのに最適です。さらに、組織サンプルのたくさんの領域を解析する場合には、さまざまな層に焦点を合わせようとすることが多いので、調整し続けて望ましい設定を見つけるのに時間がかかってしまいます。フォーカスピーキングという新しい機能では、この時間を短縮できます(図2)。この機能では、ライブ画像内のすべての焦点領域が直接強調表示されるので、ピント合わせのためだけに同じ領域のスナップショットを何枚も撮る必要がありません。
図1:ノイズのない細部の観察
Olympus Smart Image Averaging(OSIA)技術によるアクティブノイズ除去によって、ノイズでぼやけてしまいがちな細部をとらえることができます。
(標本:ヒトの結腸)
図2:焦点の合った画像の高速取り込み
フォーカスピーキング機能によって、必要な領域を簡単に選択し焦点を合わせることができます(焦点の合った領域は赤で示されています)。
効果的な共同作業と魅力的なプレゼンテーション
優れたワークフローは共同作業が効果的であるかで決まりますが、これは日常的に正確な意思決定を行うことにかかっています。したがって、作業者間で詳細で正確な情報を効率的に共有することが極めて重要になります。高い解像度と広い視野が組み合わさった4K顕微鏡観察では、張り合わせ画像の評価が促進されるほか、構造の細部と全体の両方が画面に表示されるので、プレゼンテーションが強化されます。図3に示すように、脳組織切片などの大きな画像は、複雑な組織構造が見える代表的なサンプル表示となります。
同時に、4K解像度で取得された細部情報によってこの画像を拡大できるので、神経形態をさらに精細に映し出し、組織レベルと細胞レベルの両方で解析や議論を行えます。複数の研究者にこの情報の拡大像が示されることで、チーム全体がモニター上の画像から研究を十分に理解できます。さらに広い範囲を観察する場合、デジタル画像貼り合わせ機能によって、複数のサンプル領域から取得した画像を単一の高品質な明視野パノラマ画像にまとめ、視野をさらに広げることができます。4K顕微鏡観察では、このプロセスが高速化され、パノラマ画像の作成に必要な画像数ははるかに少なく済みます。これらの機能を使用して4K顕微鏡で取得した高精細画像によって、会議のプレゼンテーションや授業中に最適な明るさで結果を表示し、見る人を惹きつけることもできます。
これが役立つ場面はとしては、例えば大学の講義中に顕微鏡のライブ映像を使用する場合が考えられます。講師がサンプルをパンニングして細かい部分を大画面に拡大して表示すると、高速イメージングによって滑らかなナビゲーションで聴講者の関心領域が素早く表示されます。例えば授業中にマルチヘッド顕微鏡をいくつも使用するのと対照的に、4Kカメラと大型4K画面を備えた標準顕微鏡が1台あれば、大勢の研究者が鮮明でわかりやすいサンプル画像を見て話し合うことが容易になります。
図3:単一画像で行う脳組織の包括的な解析
十分な理解のために、広い視野により単一画像でサンプル全体を解析するとともに、高解像度で拡大して微細な構造を明らかにすることができます。
まとめ
デジタルイメージング技術は、モニターを通して正確で確実なサンプル解析が可能なレベルまで進歩しています。エビデントのDP75やDP28、SC180をはじめとする最新の顕微鏡用4Kカメラでは、高解像度と広い視野が最先端のデジタル機能と組み合わされて、洞察に満ちた解析と明確なコミュニケーションが可能になります。モニター上に映し出される画質の向上に加えて、高速ライブイメージングと高速フォーカスによって作業時間が短縮される一方で、画面上で観察結果を直接確認できるので、接眼レンズを覗くのは必要な場合に限られます。4K顕微鏡観察の時代に、画像はまさに生き生きとして、顕微鏡ユーザーはかつてないほどサンプルを深く探求できます。