ありふれたものを驚くべきものに変える3つの顕微鏡観察法

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Annegret Janovsky

2023年 1月 10日

この画像の被写体は何でしょう。これは顕微鏡ユーザーのXie Ruiさんが撮影した、撮影装置の超クローズアップです。鮮やかな色と複雑な模様がはっきり分かり、顕微鏡を使って身の回りのものを素晴らしく美しいものに変える好例でもあります。

Evident主催のGlobal Image of the Year(IOTY)Scientific Awardは、世界中から応募される光学顕微鏡画像の傑作を表彰します。過去4年の開催では、ライフサイエンス分野に賞が集中していました。しかし2022年度は、科学的探究の多様性を示すため、コンテスト対象をマテリアルサイエンス分野にも広げました。

身の回りのものに隠れた美しさを明らかに

過去にマテリアルサイエンス分野からIOTYに応募された作品は、撮像が困難を極める試料でも、正しい方法を用いれば美しい画像を取得できることを示しました。より多くのマテリアルサイエンス分野の顕微鏡ユーザーが芸術面を探求できるように、3つの優れたイメージング例を紹介し、コントラストを強化した観察法でどのように撮影したかについて説明します。

すべての顕微鏡ユーザーに芸術的視点を

以下に示す照明法を使用して美しい画像を作成し、選りすぐりの作品を3つまで応募すると、IOTY 2022コンテストのいずれかの賞を勝ち取るチャンスがあります。以下の画像は、人目を引く背景や壁紙としてコンピューターやモバイル機器にダウンロードすることもできます。

1. 微分干渉観察(DIC)

透明結晶の微分干渉観察(DIC)画像

画像提供:Zhe Yang氏

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この見事な画像は透明結晶の表面を表しています。結晶は完璧に滑らかなように肉眼では見えますが、DIC法によって通常は目に見えない微細な特徴が明らかになっています。これは、ペルーにある神秘的なナスカの地上絵が衛星写真で明らかになるのとどこか似ていて、特定の方法で観察しない限り見えません。

DIC法では、DICプリズムを通して偏光を分割することにより、極めて小さな高さの差を色のコントラストで強調できます。この分割された光線が試料の表面に反射し、あらゆる高さの差によって光の特徴が変化します。この相違はDIC画像で見ることができ、高さの差を色と輝度で強調して3次元の錯覚が作られます。

この方法は、形状内に極めて小さな高さの差がある試料の評価に役立ちます。例えば、磁気ヘッド、鉱物、ハードディスクの表面、滑らかなウエハーの表面、冶金構造体などです。

2. 暗視野観察

暗視野照明を使用して撮像した雪の結晶

画像提供:Kim Ulvberget氏

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雪の結晶は見事にすべて異なりますが、滅多に破られない基本的なパターンが1つあります。それは、この目を見張る画像例に示されているように、雪の結晶に特有のパターンには必ず6つの辺がある、というものです。暗視野観察で取得されたこの画像は、星状板として知られる天然の雪の結晶のきらめく形状を表しています。星のような形状を作る6本の広いアームを特徴としています。雪の結晶は熱に非常に敏感なので、溶けないように冷たさを保つ必要があり、光源のエネルギーからも保護したかもしれません。そのおかげで、この画像はより一層素晴らしいものになっています。

暗視野観察は偏斜照明を使用して、標準的な照明条件では見づらい試料のコントラストを改善します。試料からの非散乱光は排除されるため、試料の周辺は暗くなり、結晶の縁だけが明るく光ります。試料はリングライトで斜めに照明を当てていますが、対物レンズに取り込まれていないため画像には写っていません。こうして、非常に暗い背景に目を引く明るい被写体が作られ、通常は見ることが難しい試料に高いコントラストを付けることができます。

この観察法を使用すれば、ごく小さなキズや欠陥でも検出可能です。暗視野照明の使用に適したものとしては、鉱物結晶や化学結晶、コロイド粒子、ダストカウント試料、ポリマーの薄片、そして微細な介在物、ポロシティ変動、または屈折率勾配のあるセラミックスがあります。

3. 偏光観察

偏光を使用して撮像された結晶化カリウムと硫酸鉄

画像提供:Karl Gaff氏

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この画像は魅力的ですね。偏光観察法を使用して、カリウムと硫酸鉄の羽根のような構造を表しています。硫酸塩は結晶化していますが、これは原子や分子が核生成と成長を経て集まり固体になったものです。結晶は、雲の中の凍った水蒸気から雪片が形成されるときに見られ、カイロの封を開けると結晶化が始まり、熱を放出します。

偏光観察法はコントラストを強化した技法で、観察する方向によって異なる性質を示す異方性試料の組成と3次元構造を評価できます。この方法では、アナライザーとポラライザーという2つのフィルターによって偏光が作られます。

ほとんどの固体は異方性を持ち、入射光の向きによって変わる光学特性があります。偏光観察法では、試料の屈折特性に応じて特徴的なコントラストや色彩を付けることができます。

この方法を使用すると、冶金構造体、鉱物、液晶ディスプレイ(LCD)、半導体材料など、さまざまな物質の特徴を強調できます。

コントラストを強化する観察方法はたくさんあります。特に、透明な試料や非染色の試料、光の向きによってさまざまな屈折率を示す試料など、本質的にコントラストの低い試料を観察する場合に用いられます。暗視野観察法と偏光観察法は、顕微鏡観察に慣れていない方には特に適していて、とりかかり始めに最適です。

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新しい正立顕微鏡または実体顕微鏡を勝ち取るチャンス

美しいと感じる顕微鏡画像をもう撮影しましたか?または何か撮影してみたくなりましたか?2022年度Global Image of the Year Scientific Light Microscopy Awardの応募はまだ間に合います。ライフサイエンス分野とマテリアルサイエンス分野のどちらも、日本時間2023年2月28日午後12時(米国東部標準時:2023年2月27日午後10時)まで受け付けています。

詳細については、IOTY 2022応募ページをご覧ください。

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Annegret Janovsky

Product Marketing Manager

Annegret Janovsky joined Evident in 2002. As a trained crystallographer, she specialized in technical mineralogy. During her time at Evident Germany, she broadened her experience in industrial microscopy, X-ray fluorescence (XRF), and remote visual inspection (RVI) as a salesperson. After several years as a sales specialist for industrial microscopy, she moved to the marketing team in Europe, where she is now a product marketing manager for industrial microscopy in Europe, the Middle East, and Africa (EMEA).