工業用清浄度検査ワークフローの分解(その1): 準備

工業用清浄度検査ワークフローの準備

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Hamish Rossell

2017年 12月 18日

抽出、ろ過、乾燥、および計量

精密部品が正しく機能するためには、汚染物質を含まないことが必須です。 汚染のある部品で作られたパーツは、通常より早く故障する可能性があります。 工業用清浄度検査は、汚染粒子による汚染レベルを測定するプロセスであり、高品質な最終製品を維持するために役立ちます。 この全6回のブログシリーズの初回では、工業用清浄度検査ワークフローの最初のステップである準備(抽出、ろ過、乾燥、および計量)について詳しく取り上げます。 まず最初に、工業用清浄度検査プロセス全体において、準備がどこに位置付けされるかを見てみましょう。

抽出

検査対象部品をクリーンルーム内の抽出キャビネットに配置し、あらゆる粒子または残留物を、浸水、吹きつけ、すすぎ、または超音波洗浄によって取り除きます。

自動車を構成する膨大な数の機能関連部品には、液体による抽出が適しています。 すすぎ液は、部品やろ過装置に使用できるものでなければなりません。

抽出キャビネットは、汚染源とならないように定期的に清浄する必要があります。 このため、空のキャビネットを数回洗い流します。 次にすすぎ液をフィルターに掛け、粒子を調べます。 3、4回の洗浄サイクル後に、残留物量が一定になります。これが所定の構成(すすぎ液、キャビネット、フィルター)の背景値になります。 このブランク値を得るためは、フィルターメンブレンを計量するだけで十分です。

ろ過

すすぎ液をフィルターメンブレンに掛けると、抽出された粒子がフィルター上で採取されます。 このフィルターを抽出キャビネットのホルダーに固定します。

すすぎ液がオイルである場合、直接フィルターに掛けられます。 定量(約50 ml)のオイルが真空のフィルターホルダーから出ると、 粒子がフィルターの裏に残ります。

重要なことは、フィルターが通常は残留粒子で完全に覆われることはないということです(フィルターの縁はシールで覆われているため、通過域は狭まります)。

風力タービンブレードの断面 抽出キャビネットに固定して使用されるフィルターメンブレン

フィルターサイズの直径は、25 mmから90 mmまでさまざまです。 標準フィルターサイズおよび工業用清浄度検査の準標準サイズは47 mmです。 フィルターメンブレンの材料には以下があります。

セルロース製フィルターメンブレン
セルロース製フィルターメンブレン
ポリエステル製フィルターメンブレン
ポリエステル製フィルターメンブレン
ガラス繊維製フィルターメンブレン
ガラス繊維製フィルターメンブレン
ナイロンメッシュ製フィルターメンブレン
ナイロンメッシュ製フィルターメンブレン

乾燥と計量

フィルターメンブレンを解析に備えて乾燥させます。 すすぎ液やオイルは、乾燥器(デシケーター)、乾燥炉、または専用機器を使用して除去することができます。

すべての不純物が付着したフィルターメンブレンを乾燥させた後、ガラスカバー付きの化学天秤を使用して計量します。 重量測定値は残留粒子の最初の値となりますが、サイズ、形状、その他の粒子パラメーターについてはまだ不明です。

次に、計量したフィルターメンブレンをフィルターホルダーに取り付けて、工業用清浄度検査の次の段階である画像取得に備えます。 この後は、全6回のブログシリーズ「工業用清浄度検査ワークフローの分解」のその2.画像取得と粒子測定に続きます。

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Hamish Rossell

Product Applications Manager, Olympus Corporation of the Americas, Scientific Solutions Group

A member of the Olympus team since 2016, Hamish provides product and application support for Olympus industrial microscope systems throughout the Americas. He is an expert in inspection applications, image analysis, measurement, and reporting, as well as custom optical solutions, with an emphasis on technical cleanliness and semiconductor equipment.