藻類から芸術へ:X Line対物レンズを使って素晴らしい顕微鏡アート作品を製作する

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Klaus Willeke

Klaus Willeke

2021年 1月 25日

Håkan Kvarnström氏は顕微鏡法の愛好家で、長年に渡りオリンパスのイメージングシステムと対物レンズを使用して素晴らしい顕微鏡アート作品を生み出しています(彼のインスタグラム でたくさんの作品を見ることができます)。私達がHåkan氏と初めて会ったのは、本当に見事なカタツムリの画像でオリンパスの2018年Image of the Year Awardで最優秀賞を獲得した後でした。

2018年Image of the Year Award最優秀賞受賞作品

2018年Image of the Year Award最優秀賞受賞作品。Håkan氏は水が入ったボトルの底にいる体長2 mmのカタツムリを撮影しました。

最近Håkan氏はオリンパスのX Line対物レンズを使用して彼のお気に入りの被写体を何点か撮影しました。池に生息する藻類とケイソウです。

オリンパスは、長年の課題であった、開口数(NA)、画像フラットネス、色収差補正の3つの主要パラメーター間のトレードオフの問題に対処するため、ライフサイエンス用の一連の画期的な対物レンズを2019年に発売しました。通常、1つのパラメーターを改良すると他のパラメーターが犠牲になりますが、X Line光学系は、3つの分野を同時に改善することでこれらの光学上の障害を克服しました。

X Line対物レンズは、3つの主要パラメーターを同時に改善する能力を持つことにより広範なアプリケーションを可能にし、研究者や医師などのユーザーに非常な利便性をもたらしました。さらにX Line対物レンズは、美しい顕微鏡アートを作成するためにも使用できるのです。

Håkan氏はX Line画像をいくつかシェアしてくれました。顕微鏡で捉えたスウェーデンのストックホルムにある王立公園や近隣の池の中の生命体です。ご覧ください!

1. ボツリオコッカス・ブラウニー

最初の画像はボツリオコッカス・ブラウニーです。微細藻類の一種で、大量の油分を産生することで知られています。実際に、この画像では輪郭の周囲に油滴を見ることができます。水分が蒸発しカバースリップが標本を押すにつれ、標本から油分が絞り出されたのです。

ボツリオコッカス・ブラウニー:NA1.42の60倍油浸X Line対物レンズ(UPLXAPO60XO)で撮影したフォーカススタック画像

ボツリオコッカス・ブラウニー:NA1.42の60倍油浸X Line対物レンズ(UPLXAPO60XO)で撮影したフォーカススタック画像。微分干渉コントラスト(DIC)設定の意図的なミスアライメントを利用して擬色効果を生み出しています。

Håkan氏は、この詳細な画像の完成にX Line対物レンズがどれほど役に立ったかを説明してくれました。

「60倍X Line対物レンズは、私が持っている他の対物レンズでは見ることが難しかった細部を解像する能力を与えてくれました。このレンズは作動距離もかなり長いので、シャープネスと解像力を損ねることなく厚い標本を撮影することができます」とHåkan氏は言いました。

2. フラギラリア・クロトネンシス

同じ60倍対物レンズで、次の印象的な淡水ケイソウ類の画像も生まれました。フラギラリア・クロトネンシスです。

フラギラリア・クロトネンシス:フォーカススタックDIC画像(60倍油浸X Line対物レンズ)

フラギラリア・クロトネンシス:フォーカススタックDIC画像(60倍油浸X Line対物レンズ)

Håkan氏は次のようにコメントしました。「60倍の倍率と1.42の高開口数の組合せにより、標本全体を1フレーム内に高解像度で撮影することができました。以前私が使用していた100倍対物レンズのNAは1.40だったため、X Lineを使用することで、フレームにより多くを取り込み、より細部を見ることができます」。

3. ケイソウアレンジメント

オリンパスのX Lineシリーズの他の対物レンズでも、より大きなNAなど仕様が改良されています。例えば、以下のケイソウの画像は、NA 0.8の20倍対物レンズを使用して撮影されたものです。

ケイソウアレンジメント:フォーカススタックDIC画像(20倍ドライX Line対物レンズ、UPLXAPO20X)

ケイソウアレンジメント:フォーカススタックDIC画像(20倍ドライX Line対物レンズ、UPLXAPO20X)

Håkan氏は次のように語りました。「X Line 20倍対物レンズは、画質、鮮明度、明るさにおいて私の一番のお気に入りです。私が以前使用していた20倍対物レンズのNA(0.75)からX LineのNA(0.8)に変えてNAが大きくなったことの利点は明らかで、ケイソウの条線のより微細な部分を撮影することができます」。

4. ツリガネムシ

X Line光学系による世界への冒険の最後は、生きたツリガネムシの速い動きを捉えたこの1枚の画像です。

ツリガネムシ:DIC画像(40倍ドライX Line対物レンズ、UPLXAPO40X)

ツリガネムシ:DIC画像(40倍ドライX Line対物レンズ、UPLXAPO40X)

この画像には、色収差補正が良好であることの利点がよく表れています。

Håkan氏は次のように説明しました。「多くの人が思っていることと反対に、この補正はモノクロ画像にも重要なのです。白黒に変換した色収差で輪郭が不鮮明になります。特にシャープなエッジが特徴なものの場合には、私は不鮮明さを回避しようと常に努力しています。40倍X Line対物レンズは、目に見える収差のない優れたシャープネスを生み出します」。

この画像は、長作動距離がなぜ重要なのかも強調しています。

「長作動距離は生きた標本にとって非常に重要です。生きた標本は動き回るためのスペースが必要だからです」とHåkan氏は言います。「このツリガネムシのような標本は、前後に動くだけではありません。上下にも動きますから、焦点が定まりません。このため、作動距離は長いほど良いのです」。

ここに示された画像は、X Line対物レンズを使用してできることのほんの一例に過ぎません。もっと詳しく見るには、Håkan氏のインスタグラムをフォローしてください。そしてオリンパスライフサイエンスのフォローもどうぞお忘れなく。

X Line対物レンズがどのようにあなたの作業に役立つか、ご興味はありませんか?オリンパスの高性能顕微鏡対物レンズについての詳細をご覧ください。

Klaus Willeke

Klaus Willeke

プロダクトマーケティングマネージャー

Klaus Willeke氏はEvident Life Scienceのプロダクトマーケティングマネージャーです。Evidentに22年あまり勤務しています。ドイツで17年間、工業用・ライフサイエンス用顕微鏡のセールス担当として勤務した後、European Product Marketingチームで、正立型臨床用、研究用顕微鏡およびX Line™ 対物レンズを担当しています。