表面粗さ測定
工業用顕微鏡
表面粗さについて
表面粗さの定義方法
表面粗さは、加工された表面の状態を示します。表面の状態は見た目や手触りで判断します。例えば、以下のような場合です。
- 粗研磨剤などでこすってできた、ざらざらした 表面
- コンピューター数値制御(CNC)加工で作られた、平らで滑らかな 表面
- ラップ盤を使って作られた、鏡面仕上げ の表面
外観でも触感でも、この違いは物体の表面形状の変動、つまり凹凸によるものです。これは、品質保証の観点から、追跡して数量化することがますます重要になってきています。
表面の凹凸は粗さの元になります。視覚や触感ではなく、表面の輝き(または質感)の状態を数値化したものを表面粗さといいます。山高さや谷深さなど、表面の測定を行うことで、個々の表面粗さ値(Sa、Sq、Sz など)とそれらの関係を判断し、表面品質の定量的定義を設定できます。
- > 表面粗さパラメーターの詳細は、輪郭曲線方式(線粗さ)のパラメーターと三次元方式(面粗さ)のパラメーターをご覧ください。
部品や素材の表面の凹凸は、加工して意図的に作り出すこともあれば、切削工具の振動、加工具の切れ味、材料の物理特性など、さまざまな要因によってできることもあります。凹凸の大きさや形状は多様で幾重にも重なり合い、物体表面の品質や機能に影響を及ぼします。
したがって、凸凹は最終製品の性能を左右します。組み立て品の場合は、表面の状態が摩擦、耐久性、作動音、消費エネルギー、気密性などの最終製品の特性に影響を及ぼします。表面の状態は製品の品質にも影響します(紙製品のインク、顔料、光沢の保持力など)。
表面粗さを測定する理由
加工した表面の凹凸の形や大きさは、加工表面の品質や機能、さらには最終製品の性能に大きな影響を与えます。そのため、最終製品の高い性能基準を満たすには、表面の粗さを測定することが重要です。
表面粗さの測定方法
表面の凹凸を数値化するには、凹凸の高さや深さ、間隔によって分類し、凹凸を評価します。そして、あらかじめ決められた手法で解析し、工業量(*)で算出します。
表面粗さがよい働きをするか悪い働きをするかは、表面の凹凸の形や大きさ、最終製品の使われ方によって異なります。
粗さの度合いは、その表面に求められる品質や性能に基づいて管理する必要があります。
表面粗さの測定と評価は古くから行われており、各種の粗度基準を表すパラメーターも数多く確立されています。加工技術の進歩と高度な測定装置の導入によって、多様な表面粗さの評価が可能になりました。 * 工業量とは、質量や長さといった物理的な量ではなく、測定方法によって定義される量(粗さや硬さなど)のことを指します。
- > 粗さの規格の詳細は、国際規格に関する資料をご覧ください。
表面粗さ測定のトレンド
ナノテクノロジーの進歩、電子機器の高性能需要と小型化に伴い、構成部品や工業製品の表面粗さを測定し、結果データを定性的に管理する業務は増え続けています。 従来型の触針式粗さ計をはじめとした、測定対象物との機械的な接触により高さ情報を得る測定機は、表面の高さや形状、表面状態を広く測定できます。
しかし、製造プロセスの絶え間ない改善に伴い、フィルムなどの柔らかいサンプルや、触針径よりも微細な凹凸を持つサンプルが増え続けています。こうした材料の進化によって、非接触測定法への需要が高まり、線計測から非破壊の精密な面計測へと変化しています。
このようなナノレベルの表面粗さ測定の要求に応えるべく、周囲条件下でサンプルの表面形状を正確に非接触で3D計測できる表面粗さ測定機として、レーザー顕微鏡が開発されています。
- > これらの測定法の詳細は、表面粗さの各種測定法をご覧ください。
表面粗さ測定の技術用語
断面曲線: 測定断面曲線にカットオフ値λsの低域フィルターを適用して得られる輪郭曲線。
粗さ曲線: カットオフ値λcの高域フィルターによって、断面曲線から長波長成分を遮断して得られる輪郭曲線。
うねり曲線: 断面曲線にカットオフ値λfおよびλcの輪郭曲線フィルターを順次適用して得られる輪郭曲線。
基準長さ: 輪郭曲線の特性を求めるために用いる輪郭曲線のX軸方向の長さ。
評価長さ: 評価対象の輪郭の評価に用いる輪郭曲線のX軸方向の長さ。
輪郭曲線方式の概念図
- > 表面粗さ測定の詳細は、レーザー顕微鏡での表面粗さ評価のポイントをご覧ください。
表面粗さ測定の詳細
> 輪郭曲線方式(線粗さ)のパラメーター
> 三次元方式(面粗さ)のパラメーター
> 粗さパラメーターの選び方
> 表面粗さの各種測定法
> 国際規格
> 技術用語集
> レーザー顕微鏡での表面粗さ評価のポイント
表面粗さ測定ガイドブックのダウンロード
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