研究者のワークフロー効率化をサポートするEVIDENTのソリューション

細胞培養段階からイメージング、画像解析といった一連のフローに沿って実験の効率化を実現する4つのソリューションと、ケーススタディやアプリケーション例を紹介します。

Atsuya Toda

Atsuya Toda

2022年 12月 15日

最終更新:2024年9月13日

100年を超える光学技術による最先端のソリューションでサポートいたします。当社は長年培った光学技術、デジタル技術をベースに最先端の研究ニーズに応えた製品開発に取り組んでいきます。これを行う方法として、細胞培養からイメージング、画像解析まで、実験の効率を向上するケーススタディ、アプリケーションおよび4つのワークフローソリューションをご紹介いたします。

研究者のワークフロー効率化をサポートするワークフローソリューション

ケーススタディ: 細胞培養の効率化

幹細胞からの分化誘導に関する実験を行うときは、以下の4つの各ステップにおいて、当社のソリューションを使用することで効率化できます。

  1. CM30インキュベーションモニタリングシステムを用いた遠隔モニタリングにより、細胞培養の分化誘導への最適なコンディションを検討できます。
    細胞培養ワークフローを効率化させるためのキーポントについては、このホワイトペーパーをご覧ください
  2. 分化誘導された細胞、細胞塊や組織を用いる予備実験では、APEXVIEW™ APX100ベンチトップイメージングシステムを用いると、より短時間かつより少ない労力で高品質なデータを取得することができます。
    APX100がイメージング予備実験をどのように効率化するかをブログでご覧ください
  3. データ取得では、共焦点イメージングを実施し標本の機能を評価します。共焦点レーザー走査型顕微鏡FLUOVIEW™ FV4000を用いると、標本全体を撮影しながら、関心領域の高解像度画像を取得することが可能です。
  4. イメージングソフトウェアcellSens™TruAI™ ディープラーニング機能を用いることで、自動的に高精度な画像解析が可能になります。

細胞培養実験とイメージングワークフロー

この4つのワークフローの改善により、より効率的な画像データ取得が期待されます。

EVIDENTワークフローソリューションと従来の方法の比較

以下の表のとおり、従来は手動で行わなければならなかった細胞培養実験では、近年ではAIや遠隔モニタリングを活用することで作業を自動化し、時間を短縮することが可能です。個々の作業がとりわけ時間を要するものでなくても、細胞の種類が複数の場合には何度も同じ作業を繰り返すことになるため、長期にわたってはさらに時間短縮の効果は大きくなります。

メリットは効率化だけではありません。インキュベータからの細胞出し入れによる負荷を軽減したり、手動操作によるヒューマンエラーのリスクを回避することで、実験の質を向上させることが可能です。

従来の方法
Evidentワークフローソリューション
細胞培養
細胞チェック方法
毎回インキュベーターから細胞を取り出す必要がある
遠隔確認が可能で、インキュベーターから細胞を取り出す必要がない
細胞数および密度の測定
細胞測定装置等で実施
モニタリングする間に自動で測定
培養条件
人により異なる
定量化
予備実験
観察法の特定
目視および顕微鏡操作
(10秒から数分)
自動検出
(約10秒)
データ収集
複数検体を撮像
1回に1標本
複数標本を自動で撮像
画像解析
特定オブジェクトの検出
特定オブジェクトを手動で特定する
AIを用いた自動検出

アプリケーション: ディープラーニングを用いた薬品検査のためのマルチクラス核表現型の予測

創薬研究で、学習済みニューラルネットワーク(NNs)を応用して、表現型予測を加速させることができます。FV4000 共焦点レーザー走査型顕微鏡とイメージングソフトウェアcellSensのTruAIディープラーニングテクノロジーを用いると、核染色を用いずに核の位置を推定し区分することができ、さらに、薬剤に応じたAR表現型の変化に基づいて細胞をワンステップで分類する方法を構築することができます。このアプローチは時間と試薬コストを抑え、実験の効率性に貢献します。

自動表現型予測のためのAIニューラルネットワークのトレーニング

このアプリケーションの詳細はこちら

これらのワークフローソリューションに使用する製品

このブログ記事で紹介するワークフローソリューションに役立つ製品をご紹介します。

CM30インキュベーションモニタリングシステム

CM30システムは、インキュベーター内での細胞培養の状態を遠隔モニタリングし、細胞数とコロニー数、密度、および細胞コンフルエンスを自動的に測定、グラフを作成します。
このような従来は手動で行う作業を自動化することで、細胞培養プロセスの効率性が向上し、定量的データに基づく培養プロセスを確立することで、培養の質が向上します。

CM30システムの詳細はこちら

CM30インキュベーションモニタリングシステムでの細胞培養

APEXVIEW APX100ベンチトップイメージングシステム

APX100システムのスマートサンプルナビゲーターはAIでスライド上に標本を検出し、標本全景のマクロ画像を自動的に取得します。APX100システムの直感的なソフトウェア操作とAIマクロ画像取得機能により、誰でも簡単に高画質な画像を取得できます。

APX100システムの詳細はこちら

https://adobeassets.evidentscientific.com/content/dam/video/video/library/product_page_segment.mp4

使いやすい研究用顕微鏡

共焦点レーザー走査型顕微鏡FLUOVIEW FV4000

標本の中の関心領域をピンポイントで特定することで時間を節約できます。FV4000システムにより、低倍率(1.25xまたは2x)から高倍率まで、ステッチ画像を簡単に取得することができます。マクロ低倍率画像からミクロ高解像度画像へと自動的にシームレスに切り換えできます。SilVIR™検出器微鏡性能モニター (MPM)のおかげで、取得した画像から解析用の信頼性の高い定量的なデータが得られます。

FV4000システムの詳細はこちら

マクロからミクロへの自動イメージング

イメージングソフトウェアcellSens

当社のイメージングソフトウェアcellSensは、輝度解析や対象物の計測と分類、顕微鏡で取得した画像データのトラッキング解析など、様々な画像解析作業を容易にします。検査対象検出にTruAIディープラーニングモジュールを用いることで、これまでは手動で解析していた画像の自動解析が可能になり、結果をより効率的により高い精度で得られます。.

イメージングソフトウェアcellSensの詳細はこちら

TruAIを使用したマウスの腎臓切片上にある糸球体位置の予測(青)
TruAIを使用したマウスの腎臓切片上にある糸球体位置の予測(青)

TruAIを使用したマウスの腎臓切片上にある糸球体位置の予測(青)

緑色: GFP標識が不均一であるため、検出精度が低くなっています。
青色: 容器に傷やホコリがあっても高い精度で核が検出されています。

緑色: GFP標識が不均一であるため、検出精度が低くなっています。
青色: 容器に傷やホコリがあっても高い精度で核が検出されています。

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Atsuya Toda

Atsuya Toda

Assistant Manager, Life Science Research Solutions, Global Marketing

Atsuya Toda is an assistant manager for Global Life Science Marketing at Evident. He has more than fifteen years of experience in life science microscopy sales, sales planning, and marketing in Japan. In 2021, he moved to the Global Life Science Marketing team where he is the marketing representative for the APEXVIEW APX100 all-in-one microscope. He holds a Bachelor of Economics degree from Doshisha University, Japan.