TruAI Technology Accurate and Efficient Image Analysis using Deep Learning
TruAIは、ディープラーニングを活用することで正確な画像解析をサポートし、精度向上・効率化に貢献します。
高い信頼性と作業効率の向上
従来技術では困難であった、ハンドラベリングが必要な複雑な形状のセグメンテーションや、単純な透過画像を使用した細胞または細胞小器官のセグメンテーションにおいてもTruAIが効果を発揮します。TruAIでは、簡単な学習フェーズを経ることにより、高い精度で判別・可視化し、カウントや面積などの計測が可能です。
- ディープラーニング技術を用いた高精度の検出やセグメンテーションにより、信頼性の高い解析結果を効率的に取得できます。
- 透過像を用いた細胞の数、形状、面積などの計測にも適しているため、サンプルへのダメージを抑えながら、作業の効率化と画像解析結果の精度の向上に貢献します。
- 推論フェーズにおける高速な処理により作業効率の向上が可能です。
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細胞核の検出における学習済ニューラルネットワークの推論フロー例。
次世代の画像解析テクノロジー TruAI –ディープラーニング
顕微鏡を用いた実験では、画像を取得するだけでなく、その画像をベースに解析を行うことも非常に重要です。正確な画像解析のためには、画像から解析対象領域を抽出するセグメンテーションが欠かせず、それには画像の輝度や色味にしきい値を適用する方法が主流となっています。しかしながら観察対象や撮影条件によっては、染色具合を含むサンプルの状態や、光学的不均質性、各種ノイズなどの要因により十分に正確なセグメンテーションができない場合があります。TruAIは、ディープラーニングを活用することでこれらの要因による影響を抑え、正確な解析をサポートし、画像解析の精度向上・効率化に貢献します。
多くの細胞の中から分裂中の細胞のみを検出
位相差画像から分裂中の細胞をTruAIで推論した結果(緑)
TruAIが糸球体の特徴を捉えて検出(右側)
マウスの腎臓切片画像から糸球体の位置をTruAIで推論した結果(青)
緑:核の蛍光画像 青:明視野画像からディープラーニングで推論した核
緑:蛍光染色の不均一さにより、正しく核を認識できていない
青:コントラストが低く、ゴミや傷が映り込む透過画像からでも高い精度で核を認識できている
Image Enhancement機能
ノイズの特徴をあらかじめニューラルネットワークに学習させておくことにより、シグナルの弱い画像でも高いS/N比の画像を構築することができます。
サンプルの蛍光強度が非常に弱くノイズの多い画像では、セグメテーションのためのオブジェクト認識は困難です。また、ライブイメージングにおいては褪色を避け、露光時間を短く設定することも求められます。
ディープラーニング技術を用いたデノイズ処理により、露出時間が短くノイズの多い画像でも鮮明な画像を取得することにより、解析に応用可能です。
ノイズの多い画像からS/N比の高い鮮明な画像を生成
Button
ライブ画像上で推論結果を確認
Live AIにより非染色のライブ撮影像上にリアルタイムでセグメンテーション結果を重ねて表示、確認することができます。これより必要な静止画を取得する前にリアルタイムに推論結果の確認ができるため、効率的に実験を行うことができます。
https://adobeassets.evidentscientific.com/content/dam/video/video/library/TruAI_lp.mp4
HeLa細胞の細胞周期における各フェーズのライブ検出※
オレンジ: G1 phase, 緑: S and G2 phase 赤: 分裂中の核
※HeLa細胞は医学研究で最も重要な細胞株の一つで、科学の発展に偉大な貢献をしました。しかし、この細胞の元となったヘンリエッタ・ラックス(Henrietta Lacks)さんの同意が得られていなかった事実を認識しなければなりません。HeLa細胞の使用は、免疫学や、感染症学、癌研究などにおける重要な発見に貢献しましたが、同時に医学における個人情報保護や倫理についての重要な議論も引き起こしました。
ヘンリエッタ・ラックスさんの生涯と現代医学への貢献における詳細は、以下にアクセスしてご覧ください。
http://henriettalacksfoundation.org/
マクロ/ミクロ イメージング
サンプルの全体像をマップとして活用することは顕微鏡イメージングにとって様々なシーンで有効です。4xなどの低倍率対物レンズにて取得したオーバービュー画像から、TruAIを用いることでサンプルのある領域だけを自動検出することができます。これにより、たとえば複数の組織切片の載ったスライドガラスから、サンプル領域のみを正確に検出し、その部分を高倍で取得することも、一連のフローとして自動化できます。
“The pretrained nuclei recognition is absolutely stunning and now makes it possible to easily analyze very heterogenous samples without compromising on any cell fractions. Especially in high cell density areas, TruAI-based separation is clearly superior to intensity or edge detection, both speed- and performance-wise.”
Robert Strauss
Senior Scientist
Danish Cancer Society Research Center
TruAIに対応するシステム
FV4000
- 革新的なダイナミックレンジで個体/組織レベルから細胞内微小構造のレベルまでマルチスケールのイメージング
- TruSpectral分光検出器による、最大6CHのマルチプレックスイメージング
- 固定細胞/生細胞のイメージングのために改良された高速・高解像スキャナー
- より深部まで、高感度でイメージングが可能な先駆的NIR蛍光イメージング
- SilVIRディテクター™により信頼性が高く、再現性が高い画像データを安心して取得
- 405nmから785nmにわたり業界最大 ※ の最大10本のレーザーを搭載可能
※2023年10月時点、当社調べによる。
- Fast and precise image acquisition and analysis
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- Analysis module